Episode.3

プロの世界で感じること
プロの世界に入って何が違うと感じますか。
基本的に運がよかったと思う。みんな。その時々の選択肢を間違っていないというか。
自分の場合も、高校の選択一つ違っていたら、間違えなくここにいなかったと思うし。
人生の選択を間違えていなかったし、やらなければならないことをやるクオリティも正しいというか高いというか。そういうのがうまくできた人間が残る世界なのかなって個人的には思ってる。
「こうしたい」自分の想いと、「こうしたほうがいいい」周りの意見のバランスについてどのように考えますか?

変なところ頑固だから。笑
「自分はこうしたい」。そこに対して「いや、でもお前はこうした方がいい」っていう意見があったとしても、でも自分にそれは当てはまらないと思ったら、遮断しちゃってるかも。
もしかしたらもっと柔軟だったらもっと上にいけていたのかもしれないけどね。笑
でも自分としては何でも吸収すればいいとは思っていないから、その見極めは大事だよね。

人生の大きな選択肢では人の意見をどう取り入れるべきだと感じる?

聞こえはよくないかもしれないけれど、意見を取り入れる「人」は大切にしている。
自分の場合は、まず聞かなきゃいけないのは両親の意見だと思っていたから。例えば自分は、兄2人と自分だけが高校が違う。やっぱり「お兄ちゃんと一緒のほうがいいよ」って意見もあったりしたけど、両親とも話して将来性を考えて高校も決めた。

そういう周りの声や意見って、やっぱりプロとか上にいけばいくほど大量に入ってくるようになる。実際、今回の移籍の件でもすごく多かった。安泰なのに、なんでわざわざ安定をなくしてまでプレーヤーにこだわるのか、移籍しなきゃならないのかって。色々言われたけど、でもそのときも、自分はまず相談すべき一番は「妻」で。

自分が聞くべき人、身近な家族や尊敬する人、先生とかの意見を聞きながら、自分の意思と重ねるというかね。アドバイスしているように見えるけど、実際は自分の利益のために言ってるなっていうのを感じることもあるから。本当に自分のことを思ってアドバイスしてくれてるかどうか。そういう取捨選択というか、大切なことの取り入れを上手くできる人が、こういう世界に生き残れるんじゃないかなって思うよね。

安泰生活ではなく、プレーヤーとしてのチャレンジを後押しできる家族も本当にすごいよね。

公式でも発信したけれど、前シーズン中に妻が急に病気になってしまったこともあって。今回は本気で引退を考えたんだよね。アルバルクも好条件でチームに残る選択肢をくれたりして、本当にありがたかった。家族との時間を確保するために、指導者の道も準備してくれたりと、それも本気で考えたけど、でも妻の「プレーヤーにこだわってほしい」という自分のプレーヤーとしてのキャリアを優先して考えてくれた意見を尊重して、決心したよね。
今まで自分が積み重ねてきたものとか、本気の覚悟を知っているからこそ、自分のことで諦めてほしくない想いが強かったんだと思う。

すごいよね、本当に強くてどんなときも笑顔で前に進ませてくれる。
プロアスリートの奥さんは、想像以上の気遣いや努力、勉強が必要なんだろうなって。

いやーめちゃくちゃ気を遣っていると思うよ。笑 特にシーズン中とかね。
以前のヘッドコーチはめちゃくちゃ練習する人だったから、朝は起きられなくなることも多くて。子供の学校の準備とかもう一切妻に任せてしまったり、あとは自分はものすごく偏食だから…(苦笑)野菜とか全然食べられない。
だから食事面とかは分からないように野菜を入れてくれていたり、すごく気にして準備してくれていると思う。


年々より一層、体に気を配らなきゃいけないし、ケアとか体と向かう時間が長くなるから、家事とか子供のことに関してはお願いすることが増えていく一方で。妻も元々バスケをやっていたり、パーソナルトレーナーとして仕事をしていた経験もあるから、色々理解してサポートしてくれているけれど、そういうのがなかったらきっと自分は愛想尽かされているなって思うよね。(苦笑) 本当にありがたいなって思ってる。

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